JR博多シティ「博多シティお守りレンジャー」
JR博多駅のビルの中でうまれた悩みごとを解決するプロジェクト「博多シティお守りレンジャー」。ある日、駅ビルの安全を守る大人たちからの相談が来ました。
皆さんは“みんなのトイレ”を知っていますか?アミュプラザ博多には毎日いろいろなお客さまが来ています。
“みんなのトイレ”はだれでも使いやすいように作られている特別なトイレで、アミュプラザ博多のトイレのある階には必ずあります。
とある階の“みんなのトイレ”をもっと便利にするために、「音声で案内するマシンを作ってほしい!」
そんな相談がVIVISTOP HAKATAに届きました。それは助けねば!ということで活動スタート!
【2020年11月29日(日)】
人助けなら任せて!という3人のメンバーが集まりました。
まずは“みんなのトイレ(=多目的トイレ)”について、JR博多駅の駅ビルを管理しているまっつん姉さんから話を聞きます。
車いすの方のために上に上げられる仕組みの“はね上げ式手すり”があったり、オストメイトといって病気やけがで人工肛門や人口ぼうこうを造設した方のための専用の洗い場があったりすることが分かりました。
広くて誰でも使いやすいことは知っていたけれど、それぞれの設備にも深い意味があるんですね~。
今回は、トイレ内の様々な設備を音で案内する音声案内マシンを作って目の不自由な方にとって、もっと使いやすいトイレにしたい!という想いをみんなで実現していきたいと思います。
百聞は一見に如かず!
ということで、今回の音声案内マシンを設置する予定のアミュプラザ博多B1Fの“みんなのトイレ”に現場調査にやってきました。
ついさっき学んだ設備が並んでいて、なんだか親近感。不具合で使えなくなった旧案内マシンの場所や大きさも忘れずチェックします。
どうやって音声を流そう?ドアにセンサーが付いていて、人が入ってきたら自動で音声が流れるようになっていたのかな? 色々な考えがめぐります。
VIVISTOPに帰ってきてから、まずはマシンの中に何を入れたらいいのかみんなで予想しました。
予想では、“VIVIWARE Cell的なやつ・銅線・ボタン・何かしらのセンサー・スピーカー”が必要!ということに。(お菓子が入っているかも!?なんて話も出たけれど、腐っちゃうと困るから違うかも?)
予想をした後は、イーケイジャパンの藤田さんと一緒に、パーツどうしを繋ぐだけで動きを試せるモジュール“PIECE”を使って実験をしました。音や光をきっかけにして、モジュールを震えさせたり、しゃべらせたりできるみたい。
音声案内マシンにもこの考えを応用できそうです!
・・・そういえば案内する音声を録音しないと!大事な設備の案内の部分は元JR九州 客室乗務員のみずもっちにお願いして、お守りレンジャーたちは、あるセリフを仲良く録音。
(3人が何をしゃべったかは、完成してからのお楽しみ!)
ちょっと緊張したけど、いい感じの音声がとれました。
大事な音声が準備できたあとは、マシンのプログラムを考えます。
今回のマシンはVIVIWARE Cellではなく、Arduino(アルディーノ)というCellよりも出来ることがたくさんあるマイコンボードを使うことにしました。
Arduinoはプログラムを書くのにちょっと難しい言語が必要なので、中身を考えて指示書をつくる部分をお守りレンジャー、実際のプログラム作成はArduino大好きクルーのどろりっちとらいすが担当します。
音声は、入った時に流れるパートと、ボタンを押して流れる詳しい説明パートに分けたいので、結構考えるのが難しい。
みんなに分かりやすいようにフローチャートという、プログラムの流れが見やすい図にしてみます。
「じゃあこの時はどうなるの?」 らいすからの質問に答えながら図を作っていきます。
出来上がった指示書をどろりっちとらいすに渡して、お守りレンジャーの本日の任務は完了!
なかなかに頭を使う一日でしたね。
次回は音声案内マシンのボディを作ります!
【2020年12月13日(日)】
今日は一日かけて音声案内マシンのボディをつくるため、VIVISTOPの中で作業をします。
まずはクルーのどろりっちとらいすが組んだプログラムのおひろめ会!
指示書どおりの動作になっているか確認をします。
動作チェックが終わったあとは、らいすから箱づくりの依頼を受けました。
実際にトイレに設置するためには、本体の大きさや必要な穴など、全ての条件をクリアした箱を作る必要があります。
スピーカーとArduinoの間には仕切りを作って欲しいという条件も。
これには、スピーカーの振動をなるべく他の機器に伝えないためという理由があります。
確かにさっきの動作チェックでスピーカーを触った時、予想以上に振動が指に伝わってきました。
さて、どんな形にしよう?
前回録音した音声に”装置中央 丸いボタンを押してください”という部分があるので、ボタンは真ん中にしないといけない!
スピーカーはどこにあったら聞こえやすいかな?
仕切りで囲わないといけないからすみっこの方が良いかも?
紙に書いていろいろ考えてみたけど、なかなか想像がつかないので
発泡スチロールのプロトタイプを実際に作ってみることに。
中に機材を入れてみるとすごく分かりやすい!
立体的になったことで、スピーカーやセンサーは表のふたにくっ付けないといけないことも判明しました。
いざ、本番!
箱部分はレーザーカッター、ボタン部分は3Dプリンタを使って作ったら良さそうです。
チームに分かれてタブレットやパソコンを使って設計をしていきます。
箱は、VIVIWARE Shell(レーザーカッター用製図アプリ)に入っている、
組み合う形の箱の図面を使って、プロトタイプを参考にしながら慎重に設計をします。
3Dプリンタは素材が赤色で設定されていましたが、非常用ボタンに見えてしまうかも?という意見が出たので青色に変更。いい気付き!
それぞれ集中して作業を進めて、出力に進みました。
ですがなんと!3Dプリンタの出力が1時間半かかる~!
設計してみると意外と大きなボタンになったので、その分時間もかかります。
今日の作業はここまで!
後日また集まることを誓い、お開きにしました。
【2020年12月26日(土)】
今日はマシンを完成させるぞ!やる気に満ちあふれた3人が再集合。
まずは出力し終わったボタンのチェックをします。
ボタンの端が少しとがっている気がする……
利用する方のことを想って、ヤスリがけをすることにしました。
その後もArduino固定用の穴あけや、箱の接着などの作業をどんどん進めていきます。
もっとVIVISTOP HAKATAらしさを入れたいな~…というかずのこの願いもお安い御用!
あとから自由に付けられるすてきなプレートを作ってくれました。
今回は、箱だけではなく説明書も作ります!
使い方や注意事項など、一般的な説明書の内容はもちろん、
あとがきまで入ったオリジナリティあふれる説明書に仕上がりました。
みんなで一番頭を悩ませたのは、マシンのネーミング。
VIVISTOP HAKATAらしさ、マシンの性能、伝えたいことはたくさんあります。
なかなか決めきらないので、作業を進めながら考えることにしました。
頭も手もたくさん使ったおかげで無事に完成!
今回のマシンは第1号として、実際にアミュプラザ博多B1Fみんなのトイレ内で使用されます。
※現在絶賛稼働中!(2021年2月3日(水)追記)
実際に使っていく中でより良いアイデアが浮かんでくるかも。
その時はまたレンジャーたちで集まってもっといいものを考えたいと思います!
今後の博多シティお守りレンジャーの活躍をお楽しみに!
-おまけ-
“VIVITTO分カール”取付工事の様子。設置してくれた工事会社の皆さん、ありがとうございました!
協力:株式会社JR博多シティ