「究極の映画館をつくろう」②

  • 2023.12.17

はじめに
 福岡市と共催で行う「映画館」の究極のかたちをみんなで模索するプロジェクト『究極の映画館をつくろう』。小学校4年生~中学校1年生の計15名のメンバーたちが、映画に関わる専門家たちと共創しながら、映画も映画館も自分たちでつくりあげ、最後には運営も手がけます。こどもたちの主体的な活動に期待して、こども家庭庁も後援に!

 こんなこと誰もやったことがないのでは…? なしとげた時点で究極? そもそも究極ってなんだろう?? 映画館の概念にとらわれず、自由に、そして誰にも予想がつかないドキドキが詰まった活動がスタートします。

 本レポートでは、2023年8月~2024年3月まで全17回の活動(+通常活動での準備)の様子を数回に分けてお伝えしていきます。

活動レポート②
脚本っておもしろい! 2023年8月23日(水) 〜10月1日(日) 
 ストーリーの大まかな中身はみんなで決めましたが、実際に映像を撮る時に使用する「脚本」は脚本志望のメンバー2人が中心になって個別に集まり作っていきました。

 目に見えない「気持ち」を動作やセリフに変換して表現することで、観た人に伝わる映像を目指します。

 「このキャラクターだったら次はどんな動きをするかな…?」展開に困った時はみんなで決めたキャラクターのプロフィールに立ち返りました。 隅々まで考えたつもりのキャラクター設定ですが、深掘りしていくことで、足りない部分やナゾな部分が結構残されていることに気が付きます。 

 キャラクター設定の足りない部分を話し合う中で映画の舞台が決定! ある一点を真剣に考えることで、思ってもみない別の部分に繋がる経験が脚本づくりではたくさんありました。 繋がった瞬間は思わずメンバーとハイタッチ! うーん、脚本っておもしろい!

 制作途中の脚本は、この活動に興味を持ってくれていて「何か協力できることがあればぜひ」と言ってくれていた”シナリオ・センター”の新井一樹さんに見ていただきました。 さすがに脚本家を育てるプロの新井さん。私たちが伝えたいことをくみ取ってくださり、それがより伝わる場面づくりのアドバイスをたくさんしていただきました。 新井さんは、本を出版していてその著書もたくさん参考になることばっかり。愛読していたメンバーとクルーは直接もらうアドバイスに感激!

準備9割本番1割! 2023年9月9日(土) 〜10月1日(日) 
 脚本づくりと並行して動いていたのが、小道具制作や仮撮影といった本番に向けた細やかな準備です。こちらの活動も、集まれるメンバーで個別に活動していきます。

 物語のキーアイテムとなる「アタッシュケース」や「仮面」(の一部)は、フリーDAY※で集まったメンバーが分担して塗装しました。仮面の塗装は、下地塗り→ドライヤー乾燥→色塗り→ドライヤー乾燥を連携プレーで進めたのですが、ちょっと油断すると自分のエリアに仮面がたまっていくのでみんな大慌て。 映画をご覧になる際は、ぜひ仮面にも注目してみてください!

 仮撮影は「順撮り」といって脚本の冒頭から順番に撮影を進める方法でチャレンジ。 カメラのアングルやカットの切り替え、演技指導などなど、役割を決めずに出てきたアイデアをお互いに出し合います。全員が監督です。 やってみて初めて分かったのですが、とっても時間がかかる! 全9ページの脚本の1ページ目の撮影に1時間以上かかってしまい、これは撮影本番やばいぞ!とみんなで大慌て。

 その後はコツを掴んでなんとか5時間程で一通り撮影完了。 今回は絵コンテを作成しなかったので、仮撮影のデータがカット数や秒数の目安としてとっても役に立ちました。 みんなも撮影のイメージがより具体的になったので本当にやってよかったです。

 1回で終わるかと思った仮撮影、なんと次の日もやりました。(笑) 大人だったらもう1回やろうとはならない気がしますが(少なくとも私はならない…)、モチベーションの高いメンバーたち、何の迷いもなく撮影をし始めました。主体的に活動を進めるみんな、とってもイキイキしています。 来週はいよいよ撮影本番。楽しみです!

 ※フリーDAY=「究極の映画館をつくろう」にまつわる活動をする自由参加日。

撮影本番!今のシーンは何点? 2023年10月7日(土)
 待ちに待った撮影本番!俳優さんたちは衣装に着替え、いつもと違った雰囲気です。 全員で今日の流れを確認して、さっそく撮影に入ります。

 今回の映画撮影は、映像の専門家として株式会社ゼネラルアサヒさんの撮影メンバーにご協力いただきました。 大きなカメラにモニター、ガンマイクなど本格的な機材にみんなテンションアップ!なんとなく緊張感も漂います。 機材の説明をうけ、裏方チームも定位置につきます。

 「本番よーい!」監督の合図に合わせて1カット目の撮影が始まりました。 「カット!」……… 今のカットがOKなのかNGなのか? 判断するのも監督の大切なお仕事。 全員がどきどきしながら監督の声を待ちます。 「89点!!」なぜか点数が付きました。 意外な展開にみんな緊張が解け、その後もどんどん撮影を進めていきました。

クランクアップ! 2023年10月8日(日)
 最初は慣れない機材や演技への緊張感で、予定よりも時間が押していた撮影ですが2日目にはみなさんお手の物。 俳優さんたちが長台詞もばっちり暗記していたおかげもあり、最終的には予定より早くクランクアップ(仮)※となりました!

 俳優だけではなく、撮影、音声、照明、記録、小道具、監督、映像制作にはたくさんの役割があることを改めて感じました。 メンバーたちは第一希望の役割以外にもチャレンジし、たくさんの経験が出来たようです。 クルーも気が付かなかった小道具のミスを教えてくれたり、集中力が切れている他のメンバーに気分転換をするようにアドバイスをしたり、だれかが失敗した時に「これはNG集に使えるね!」とフォローをしたり…。

 VIVISTOPでストーリーづくりをしていた時には気が付かなかった、メンバーの新たな一面がたくさん見れました。みんなで一つの作品を作っていくことの中にたくさん気付かされることがあり、手伝ってくれたゼネラルアサヒさんや私たちクルー、活動していたメンバーみんなにとってとってもいい経験になりました。

 撮影が終わった後のあるメンバーのつぶやき。 「10分の映画作るのにこんなに大変って….2時間の映画とかやばくない?」 本当にその通り!これからは映画を観る視点が変わりそうです。

 ※クランクアップ(仮)
天候の関係で撮影できなかった1シーンは後日追加で撮影しました。 ロケ地はなんとわれらがJR博多駅前広場。 たくさんの人が行き交う中での撮影、なんだかみんな誇らしげでした。 これで本当にクランクアップです!

編集作業。映画を完成させよう! 2023年10月28日(土) 〜11月11日(土) 
 映像素材が揃ったらお次は編集です。効率化のために脚本の流れに沿わない順番で撮影をしているので、繋げてみるまで見えない部分もたくさん。 編集経験のあるクルーを中心に映像を見やすく編集して、フリーDAYでみんなで確認しながら意見出し。

  「音量が揃ってた方が見やすいよねー」「キャラクター同士の関係が分かりづらいかも…。」 出てきた意見をまた編集に反映させ完成度をあげていきます。 普段から自分で動画編集をしているメンバーからは、映像の再生速度や効果音など細かな部分のアイデアが出てきました。

 何もないところから一生懸命ストーリーを考えて、自分たちで撮影した映画。 これからはこの映画専用のこれまでにない新しい映画館を考えていきます。 引き続き応援よろしくお願いします!

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■共催:福岡市
■後援:こども家庭庁 
■ロケ地協力:福岡市赤煉瓦文化館、アイベース福岡(株式会社アイ工務店)
■小道具協力:ete

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ゼネラルアサヒ「映像制作プロジェクト」